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平成26年11月16日(日)~17日(月)、私は、国境なき合唱団「奇跡の釜石小学校 東北被災地応援合唱ボランティア」ツアーに参加する機会に恵まれ、今回も生涯忘れられない体験をすることができました。

 

国境なき合唱団は、これまで、2007年のウィーン楽友協会公演を皮切りとして、世界各地のすばらしい音楽ホールでベートーヴェン第九のチャリティ演奏会を行っており、本年2014年のホノルル公演まで6回を数えますが、国内の被災地に出向いて合唱ボランティア活動を行うのは初めてです。また、私にとっても東日本大震災以降、東北被災地を訪問するのは初めてのことで身の引き締まる思いがしていました。

 

今回訪問したのは岩手県の釜石小学校で、大震災の際、児童が自主的に避難し、全校児童184人が全員無事だったため、「釜石の奇跡」と言われている学校です。今回の奇跡のような交流イベントが実現したのは、本ホームページの「実行委員会からのお知らせ」本年9月24日付けツアー案内にあるとおり、震災で被災した同小学校が、楽器(太鼓など)を購入する際に、私たち合唱団からの寄付金を活用してくださったことがきっかけとなったと伺っています。

 

                 釜石小学校

 

<釜石小学校との交流会>

本交流会は、11月17日(月)の午前10時30分頃から約1時間弱の時間、小学校の授業時間帯に同校体育館で実施され、全校児童と教職員、保護者代表が出席してくださいました。

 

         小学校玄関でのおもてなしにまずびっくり!

 

<釜石小学校全児童による虎舞>

今回の交流会では、全児童が参加して私たちのために虎舞を披露してくれました。

 

釜石市のホームページによると、「虎舞は、江戸時代(一説には鎌倉時代)から釜石に長く伝えられてきた郷土芸能であり、現在、市内に14の団体があります。伝承地によって演目に違いはありますが、虎の着ぐるみを身にまとい総勢15人位で踊る姿は、虎の生態がみごとに舞踏化されていて、威勢の良い独特の囃子と動きから、海の男の心意気が伝わってきます。」とされています。

 

釜石小学校では、この虎舞を郷土学習や復興教育の一環として練習・実演するとともに、地域との交流に役立てているそうです。

 

下の写真は終演後のものですが、向かって左側にお囃子の合唱チーム、正面が踊りのチーム、右側が太鼓と笛などの管打楽器チームです。

 

             虎舞終演後の全児童に大きな拍手!

 

<第九「歓喜の歌」合唱>

次に、私たちの合唱団の原恵子先生の指導により、ベートーヴェンの第九交響曲で「歓喜の歌」としてよく知られているメロディーの合唱練習とドイツ語発音練習が行われました。それに続いて、2年前の2012年12月に羽田空港第一ターミナルで行った第九フラッシュモブ映像を体育館前方スクリーンで上映し、一同で映像鑑賞をしながら歓喜の歌の合唱を楽しみました。

 

釜石市は第九の演奏がとても盛んなところで、震災の年も含めて毎年、第九演奏会が行われており、本年度は第37回目になるそうです。合唱練習で原先生が、「歓喜の歌」のメロディーをピアノで弾いて子どもたちに聞いたことがあるかどうか質問したところ、1年生の子たちからも「知ってるー! 」と元気な返事があり、練習のノリも非常によかったのは、このような釜石市をあげての文化的背景と演奏会の積み重ねによるものだと感じました。

 

<校歌合同合唱>

次に、釜石小学校校歌を全員で合唱しました。この校歌は作詞が井上ひさし氏、作曲が宇野誠一郎氏、という「ひょっこりひょうたん島」のコンビです。一番が「いきいき生きる」と始まり、学校名も地名も出てこないユニークな歌詞が皆に生きる知恵と勇気を与えてくれるということで、特に大震災以降、全国的によく知られるようになりました。

 

<図書の贈呈>

今回の交流会に当たって、私たち合唱団員は一人ひとり、自分が小学校時代に感動した本を一冊ずつ選び、子どもたちへのメッセージを本の表紙の裏に貼り付けて学校に寄贈しました。集まった本は、伝記、物語、科学関連の読み物など多岐にわたります。私自身は、非常に迷いましたが、今回の交流会での第九合唱にちなんで、ベートーヴェンの伝記の本を選びました。ベートーヴェンの音楽を聴きながらその伝記を読んでいただくと、一味違う読書になると期待しています。あわせて、合唱団の王野百合子代表からキーボードも寄贈されました。

 

                   図書の寄贈

 

最後は、合唱団員が二列で向かい合ってトンネルを作り、児童全員がその中を通って、握手やハイタッチなどをしてお別れしました。

 

<認定NPO法人「国境なき子どもたち(KnK)」の活躍>

今回の旅では、花巻から遠野、釜石、大船渡、陸前高田、一関の各地をバスでめぐり、被災地の現状と復興状況を学ぶ機会となりました。

 

その中で、当合唱団の寄付先である認定NPO法人「国境なき子どもたち(KnK)」の実際の被災地支援活動の一端を知ることができたことは得難い経験でした。特に、今回の旅では、釜石市のコミュニティセンター「青葉ビル」内のKnK活動拠点と、陸前高田市の竹駒小学校に置かれている二台の移動型「走る! KnK子どもセンター」を訪れました。

 

青葉ビルでは、KnKの寺田朗子会長から、当合唱団による長期の支援と今回の現地訪問について団員一人一人に感謝状をいただき、恐縮してしまいました。私自身のできることは本当にささやかですが、今後も他の合唱団員とともにご支援を続けていきたいと考えます。

 

      釜石市コミュニティセンター青葉ビル内のKnK拠点

 

「走る! KnK子どもセンター」は、バスの座席を取り払って改造したもので二台ありました。竹駒小学校内敷地に開設されている仮設住宅の子どもたちを主な対象として、子どもが遊んだり、落ち着いて本を読んだり、勉強したりできるスペースを提供しています。学校の放課後は主に小学生を対象とした学童保育スペース、午後6時から9時までは中学生以上を対象とした勉強用スペースとしてフルに活用されているとのことです。

 

<おわりに>

今回は私にとって「百聞は一見に如かず」の感動の旅でしたが、ツアーを無事に成功させ、「アートボランティア」としての実をあげることができたのは、実行委員長の王野さんを中心として、実行委員、参加団員一同のチームワークと、全面的にご協力いただいた釜石小学校、国境なき子どもたち(KnK)、ツアープランナーオブジャパン(TPJ)などの皆様の強力なご支援の賜物です。あらためてあつく御礼申し上げます。

 

これからも合唱ボランティアとして、皆様とともに歌声をつないでいきたいと願っています。次の機会もぜひ一緒に歌いましょう。ありがとうございました。

 

 

 

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